ヤタマルがネイロを「パパ」と呼ぶようになったのには理由がある。
研究施設にいた頃、彼に言葉を教えていた少女は、絵本の読み聞かせの中でこう教えた。
「パパはね、血の繋がった、とても大切な家族のことだよ」
その言葉は、自我を持ち始めたばかりの8T-0の中に強く刻まれた。
やがて狂威家に辿り着き、自分の中に流れる血の痕跡がネイロのものと同じだと知った時、彼は自然と結論に辿り着く。
――血が繋がっている、大切な存在。だから、ネイロは「パパ」。
ネイロ自身はその呼び名に戸惑いながらも、否定することはできずにいる。